小児アレルギー性鼻炎
大人でも多くの方が持っていると言われる「アレルギー性鼻炎」は、生命にかかわる病気でないとは言っても、日常生活に支障を及ぼします。特に小さな子どもたちは、症状をうまく伝えることができず、病気を悪化させてしまうことも少なくありません。アレルギー性鼻炎について知り、気になる症状がみられたら早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
小児アレルギー性鼻炎の症状
▼三大症状
くしゃみ・水性鼻みず・鼻づまりが三大症状で、風邪の初期症状と似ています。子どものアレルギー性鼻炎では鼻づまり型が多いようですが、子どもの年齢が低いほど症状がハッキリせず、アレルギー性鼻炎と判断することが難しいようです。
▼その他の症状
- 副交感神経が働く、朝夕に症状が出やすい
- 鼻炎だけではなく同時に眼のかゆみや充血といった症状が強く現れる
- 中耳炎、喘息、アトピー性皮膚炎等の合併症を併発する恐れもある
アレルギー性鼻炎の原因
鼻から吸い込んだ異物(アレルゲン)が、鼻の粘膜を刺激することによって起こります。
▼通年性アレルギー性鼻炎
ダニ・ホコリ・ハウスダスト・ペットの毛等が原因で発症します。窓を閉め切って冷暖房をかけることが多い、夏や冬場に症状が強く現れる傾向にあります。
▼季節性アレルギー性鼻炎
花粉が抗原で発症する「花粉症」は季節性アレルギー性鼻炎です。遺伝が強いので、両親が花粉症を持っている場合、乳幼児期から花粉を回避して予防しましょう。
アレルギー性鼻炎の予防
▼ハウスダストの除去
- 1週間に2回以上、掃除機等で掃除をする
- ダニは高温多湿を好むため、部屋の湿度は50%、温度は20~25度くらいに保つようにする
- ハウスダストが付きやすい布製ソファーやおもちゃ等の清潔に心がける
- 布団や枕は定期的に日光に当てて乾燥させ、抗ダニ作用のカバーをかけたりする
▼花粉の回避
- 花粉情報をチェックし、飛散が多い日は外出を控える
- 花粉の飛散の多い日は、衣類や布団を外に干さない
- 外出時にはマスク眼鏡を忘れず、帰宅時は花粉をよく払う
▼動物との接触の回避
- ペットがいる場合は、毛が落ちないよう手入れや清潔を心がける
- 外出時には動物との接触を避ける
アレルギー性鼻炎の治療
飲み薬や、その他レーザー治療等もあるようですが、子どもには以下のような治療が多いようです。かかりつけ医に相談し、お子さまにあった治療を探してください。
▼抗アレルギー薬
ドラックストア等でアレルギー性鼻炎の薬がよく販売されていますが、子どもには使ってはいけない成分も多いため、必ず耳鼻咽喉科を受診したうえで、子どもに適した薬を処方してもらいましょう。
▼特異的減感作療法
ある特定の抗原に対して、その抗原のエキスを低濃度から何度も注射をして、体質を変える治療です。6歳くらいから始められるようですが、約2年くらいの長期間を要します。
日常生活での対策
アレルギー性鼻炎は完治が難しいですが、日ごろから気をつけておけば症状を緩和できますので、お子様が快適に過ごせるよう以下のようなことに気を付けましょう。
- たばこの煙は鼻粘膜を刺激するため、禁煙するか、子どもが煙に接しないよう工夫する。
- 抵抗力がつくよう、十分な睡眠を確保できる環境づくりを行う。
- 食事で、ビタミンやミネラルを多く含む野菜を多く取り入れる。
- 自律神経の働きを高めるため、適度な運動を心がける。
- 湿度に気を付け、加湿器・除湿器を上手く利用する。
参考
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